入院顛末記 その4

まずい昼飯を摂って検温したら平熱まで下がっていた。頭はまだ痛むが随分楽にはなってきたので、妻が持ってきてくれた『ダヴィンチ・コード』を読み始める。

文庫版の上中下3分冊である。3分冊は約20年前に読んだ椎名誠の名作『哀愁の街に霧が降るのだ』以来かもしれん。確か就職したばかりで暇な週末に、飯を食う時間以外ベタに2日かけて読破した記憶がある。

ダヴィンチ・コード』は、今ほど話題になる前、約2年ほど前だったろうか、英会話の講師のマイケル(アメリカ人@ワタシより年下)が授業のとき話題にしたので初めて知った。彼は分厚いペーパーバックを我々生徒に見せながら「これすっげーおもしれーから読んだほうがいい」と(たぶん)言っていたのだ。その時以来ずっと読もうと思っていたのに、その話を聞いた妻が文庫を買ってきたその後も何故か億劫になってずっと読んでいなかったのだ。

マイケルのオススメだけあって読み始めるとなかなか面白い。アクションと謎解きが適度に織り込まれており飽きさせないのだ。

ベッドに寝て熱心に読んでいたら、夕方検温にきた若い看護婦が本のタイトルを見て話しかけてきた。曰く「私も読んでたけど中巻で挫折した」とのこと。

確かに周辺の関連知識(というか興味)が皆無だとあんまり面白くはないかもしれない。てか、下巻は買ったのかよ? 聞くの忘れた。


夕食後の検温では35度台(ワタシの普段の平熱)まで下がった。それを確認したのかその後担当の医師がやってきて言った。

「明日血液検査の結果が問題なければ退院しますか?」

ほっとする。ワタシは即座に「是非」と答えた。しかしその後の一言で再び凍りつく。

「あ、それと、明日もう一度髄液の検査しますから。」


以下、次エントリに続く。