どっこい生きている

スバルの新型の軽が出たので試乗をしに行った。
名前はステラという。なんだかNHKの情報誌みたいな当たり障りのない名前だ。実際に見て乗ってみたところ、クルマ自体の出来も当たり障りのないものだった。


今時のクルマらしく軽とは言っても内装は立派で、ウチのプレオとは大違い。しかし今時の軽らしくないところもある。後席があんまり広くないのだ。これは恐らくもう1車種のスバルの軽であるR2のプラットホームを流用しているからだと思われる。考えてみればR2を出した時期を考えると、まるっきり新しい車種を開発できるほどの日程的余裕などないだろうから当然だろう。よく見ればインパネとかもまんまR2流用である。


試乗車はNAのDOHC。大人3人乗車+エアコンONだったせいもあるだろうが、発進時に少し力不足を感じた。
スバルはR2から、せっかくプレオで熟成させたマイルドチャージ(低圧スーパーチャージャー)エンジンの採用を止めてしまった。セールス曰く「燃費を重視」とのことだが、大げさに言えばエンジニアリングの放棄だと思う。スバルならば過給機付きのまま燃費の向上を図ってほしかった。


足回りはプレオより多少しっかりしているが、ま、こんなもんだろうという感じ。クルマ全体としてもそんな感じで、悪くはないけれど特別「これでなければ」という売りもない。


かつてのスバルのクルマは、全然ダメな部分も少なくないけど、その代わり他社の追随を許さないほど優れた部分も多く、それがいわゆる『スバリスト』に支持されていた所以でもあった。
しかしここ最近出るスバルのクルマはあまりそういう感じがしない。ステラはその典型だ。似たようなスタイルならムーブで何の不満があるだろうか。


ただ、スバルで買う意味のあるクルマはまだ残ってはいる。


実はこの期に及んでも、まだプレオを作っているのだ。ワゴンのFとバンのAの2グレードのみ残っている。AのFF、MT車が627.9千円、CVT車696.2千円。完全にゲタ代わりと割り切ればこれを買って乗り潰すという選択肢はアリだと思う。


ということで、ベテランはしぶとく生き残っている。