朧月夜

また通勤途上のラジオから流れた唄の話。
中島美嘉の『朧月夜』。この唄を中島美嘉が唄うことの是非はとりあえず置いておくが、ワタシにとってこの唄は、唱歌の中では最も好きなもののひとつである。

何がいいって歌詞が素晴らしい。


(1) 菜の花畠に 入り日薄れ
  見渡す山の端 霞み深し
  春風そよ吹く 空を見れば
  夕月かかりて 匂い淡し


(2) 里わの火影も 森の色も
  田中の小路を たどる人も
  蛙の鳴く音も 鐘の音も
  さながら霞める 朧月夜


もうね、これ以上あるかってほど格調高くて叙情深い。
日本の風景のそこはかとない美しさを、これほど淡々と、それでいながら素晴らしく表した例がほかにあるなら教えてほしい。